ベイトフィッシュライクな“サイレントポッパー”

1.自然界に存在するようなナチュラルさにこだわって開発

1995年の発売以来長く愛される、言わずと知れた名品。 POP X登場前はポッパーといえばガバっと水を派手に撒き散らすようなものが多かったものの、伊東氏自身が当時のポッパーでいい釣果をあげたこともなければ、他のアングラーがポッパーで釣っていても他のルアーで十分対抗できていたのでポッパーの必要性を感じていなかったそう。 しかし、ミノーでもワームでも釣れない何をやってもダメ、そんな日にたまたま持っていたプロトタイプのPOP Xを投げると次々にバスが反応を見せたのです。よりナチュラルでリアルなサウンドとアクションを生み出すポッパーなら釣れる、と確信した伊東氏はPOP Xを製品化することにしました。

伊東氏の見立て通りPOP Xはタフな環境下でもトップウォーターにおいて爆発的な釣果をあげ、遂には累計100万個以上売れた世界に誇れる日本発のルアーとして確固たる人気を得ています。

2.控えめなリアルポップサウンドがバスをスレさせない

POP Xの魅力の一つはナチュラルなサウンド。口に付いたダクトから過剰な水が流れていくので、水を受けすぎて不自然なサウンドを出すことを防ぎナチュラルなカポ音を出すことができます。

派手なスプラッシュやポップ音は遠くのバスを引き寄せたり、リアクションを狙うのに効果的ですが、晴天無風なクリアレイク、タフな環境ではバスをスレさせてしまいます。POP Xは敢えて派手さを抑え、周囲の雑音にかき消されてしまいそうな絶妙にリアルなポップ音を発するので、難しい状況下でもバスを惹きつけることができます。 スプラッシュさせるときはPOPXのあごで水面を優しくデリケートに削るようにするのがコツ。水を小さくまとめ上げて拡散するようにしてタフコンディションに効くアクションとなります。

3.ネチネチ首振りがまさに水面で悶える「虫」　アフタースポーンのバスを狙う

特にアフタースポーンの時期のバスは水面を意識しながら中層〜表層に漂っているので、そこでじっくりルアーを見せるのが良いでしょう。 伊東氏おすすめの動かし方はネチネチと首振りしながらのドッグウォーク。まるで水面に落ちて悶える虫の様に見えるのでバスにとっては格好のバイトチャンスとなります。 口のダクトから水を取り入れて後方へと逃すことで整流効果を生み、安定したドッグウォークや高速リトリーブでもルアーがひっくり返りにくい優れた安定性をもたらしてくれています。
ルアーの比重にもこだわりがあり、浮きすぎず水としっかり絡むよう設計されているので水面に波動を生み出すだけでなく、水面下にもアピールできます。 また、ウェイトは軽過ぎることもなく重過ぎることもないのでキャストしやすく、着水音は小さく抑えることができ余計なサウンドでバスをすれさせません。

4.圧倒的にリアルで美しい造形美

POP Xが発売されてまず人々を魅了したのがそのベイトフィッシュと見紛うリアルさ。1990年代に発売されたルアーの中でこれほどまでにリアルなものがあっただろうかと思わせるメガバス伝統の細密な塗装を施しています。
発売以来、POP Xは限定カラーやプレミアカラーなどを含め300色近く発売されてきたとも言われています。過去にはプレミアものはなんと10万円以上で取引されていたことも。今では手に入りやすくなったものの、やはり人気色は売り切れることも多いので見つけたら手に入れておくのが良いでしょう。

5.POP XとPOP MAXの使い分け　より繊細に使うならPOP X

POP Xにはその次世代シリーズPOP MAXがありますが、今回は中でもPOP Xを選ぶべきシーンをPOP MAXと比較しながらご紹介します。

上:POPX 下:POPMAX

（出典：Lure Note）

浮き姿勢も全く違います。これによりポップ音や水面波動もPOP Xの方が控えめ、POP MAXはポップ音やスプラッシュが比較的派手という違いがあり、POP Xはネチネチピンポイントで狙うのが得意なのに対し、POP MAXは大きな波動や音で遠くからバスを寄せるのが得意です。

以上の特徴比較からPOP Xを使うタイミングは以下が挙げられます。

• バスの警戒心が強くアクションや音を控えめにしたい時
• 虫系のアクションで釣りたい時

①バスの警戒心が強くアクションや音を控えめにしたい時
週末アングラーが賑わうフィールドなどでバスの警戒心が高い状態だと感じた時や水がクリアな時などにはPOP Xのリアルでバスをスレさせない絶妙なサウンドとアクションが活きてきます。

②虫系のアクションで釣りたい時
夏の虫が多く発生する時期にはバスもトップウォーターを意識しており、虫は水に落ちると素早く逃げることはないのでバスにとっては絶好のバイトチャンス。ネチネチ水面を泳がせ、虫パターンを演出していきましょう。