フラットサイドクランクを使った新テクニック〜シェイキーとは?〜
1. シェイキーとは
「シェイキー」というテクニックを耳にしたことはあるでしょうか。シェイキーとはフラットサイドクランクを細かいロッドワークによって首振りさせる技のことを指します。元々は以前からアメリカに存在していた釣りではありますが、ハードベイトでの釣りを追究していた日本、特に関東のアングラーたちの間で近年「もしかしてシェイキーってすごく釣れるのでは…?」と話題になっているのです。
シェイキーは移動距離を抑えてゆっくりじっくりと中層に浮くバスにアピールができるのでルアーの真下にいるバスだけでなく、斜め下など広範囲からバスを寄せて浮かせて釣ることができます。他のハードベイトでは全く反応しなかったバスも食ってくるようなボウズ知らずの釣りですので、取り入れないわけにはいきません。
2. シェイキーのやり方
基本的にはあまり遠投はせずに目視できる範囲にルアーを投げましょう。着水した瞬間からロッドの先端を水面に向けた状態で細かくピッピッピッと振り、ルアーを左右にパタパタと倒しながら巻いていきます。できるだけ移動距離を抑えてゆっくり魅せることを意識し、レンジについても目視できる程度の深さで泳がせてみましょう。すると中層から浮いてきたバスが水面付近でバクッと食ってきます。着水でルアーの存在に気が付いたバスが、最初の1、2振り目で食ってくることも少なくありません。ただし食った瞬間に合わせるのではなく、バスが水中に戻ろうと背を向けるまでの一瞬を待ってから合わせることでしっかりルアーがかかった状態で巻くことができます。
水面での釣りとなるのでバイトしてくるバスを間近で見ることができ、釣りの面白さをより体感できるのがシェイキーの魅力です。
3. おすすめアイテム
ルアー
マルノミフラット60:NORIES
2024年にNORIESから発売された新作フラットサイドクランクです。開発者の田辺氏は元々「真っ直ぐ速巻きしても魅力的なアクションをするフラットサイドを」と開発したものでしたが、それがシェイキーに抜群に向いていることが発見され、もはやマルノミといえばシェイキーと言われるように。
本来浮力の高いフラットサイドは中々首を思うように振ってくれないことが多いのですが、マルノミフラットは高い浮力がありながらも細かいロッドワークにも機敏に反応する操作性を兼ね備えています。この浮力があることで、障害物をかわしながら泳ぐことができ、岩礁帯の際といったカバーに投げることができるのです。
言葉通り60mmのルアーサイズからは考えにくいビッグサイズのバスがガブっと丸飲みにしてしまうことから命名されたマルノミフラットですが、もちろん普通に巻いてきてもハイピッチなウォブリングをしてくれるので汎用性高く使用できそうなルアーとなっています。
カラーは10色展開となっていていずれも黄色〜白に近く、パタパタと身体を倒したときの明滅効果の高いカラーが採用されています。
ロッド
上の動画におけるマルノミフラット60によるシェイキーはNORIESのロードランナーヴォイス ハードベイトスペシャルHB630Lが使用されています。一方、伊藤巧プロはハードベイトスペシャルHB630LLをオススメしていますので、目安としてL、もしくはLクラスより柔らかいロッドがおすすすめです。
ライン
ラインはフロロカーボンがおすすめです。ラインが水面に浮かずロッドの先端とルアーを真っ直ぐ繋ぐのでロッドの細かい動きを表現できます。
4. シチュエーション

早春、水温が10℃を超えてバスがスポーニングに向けた行動に移り、水面を意識し始めたタイミングがシェイキーの出番となってくるでしょう。それまでディープに身を潜めていたバスがミドル〜シャローレンジに上がってきて、産卵に向けた体力づくりのために積極的に捕食行動をするようになります。そしてさらに冬が明けて水の透明度が下がりステインウォーターになってくるとなれば、まさにアピール力の高い巻き物が活躍してくれます。
バスの反応が非常に良いシェイキーは、春の三寒四温を繰り返す中で冷たい雨が降った後や気温の低い日といった特にバスがシャローではなくミドルレンジに潜んでいる時に浮かせることができます。水面でパタパタと身体を振ることで明滅効果も広範囲に及びバスを寄せ、ノロノロと動くいかにも食べやすい小魚に寄せていきましょう。特にギルやゴリ、ワカサギなど小魚が泳いでいる場所を意識して投げるのが重要となってきます。
食い気のあるプリスポーンだけでなく、ミッド〜アフタースポーンのバスにおいてもシェイキーによる釣果が報告されています。産卵後の元気のないバスでも、シェイキーでじっくり魅せることで浮かせて釣ることができるのです。ただしプリスポーンの時期とは違い、浮いてきてもしばらく食うか食わぬかの間が空いてからパクッと食ってくることが多いので、中々口を使ってくれなくてもパタパタとルアーを動かし続けることが大切となってきます。
マルノミフラット60のように小ぶりで食べやすいサイズのルアーでかつ、ゆっくりとしたバスの食いやすいスピードで動くので、50アップから30cm程度の小バスまで幅広いバスが反応してきます。サイズを狙うというより数を釣りたい時に使えるテクニックがシェイキーと言えるでしょう。
また水面に近いところで巻いてくるので、バスのバイトの瞬間を目の前で見ることができ、釣れた瞬間の迫力を楽しむことができるのも魅力の一つです。
非常に注目の釣りで、各社フラットサイドクランクの新作も発売予定となっているため、今後シェイキーに関する研究がより広がっていくでしょう。押さえておいて損はない最新テクニック、ぜひ試してみてください。