1.晩秋のバス釣りの特徴

秋の始めはバスにとって活性が高くベイトフィッシュを追いかけまわす荒食いの季節でした。秋後半に入ってきた晩秋の時期は、ブラックバスの荒食いも少しずつ落ち着いてくるタイミングです。この季節は秋口の荒食いシーズンが嘘のように、バスが釣れづらくなります。 これまで冬越えの準備の為、個体差に関係なくエサを探し回っていたバスが気温と水温の変化により、段階を追って冬ごもりに適した場所に移動を始めます。気温と水温変化によるバスの段階的な移動と、エサを探している個体の急な減少が重なることで、晩秋のバス釣りが難しくなります。また移動も寒さに耐える体力も少ない小さな個体から始まり、次いで中・大きな個体の移動が段階的に始まっていきます。そんな晩秋のバスの動きを踏まえた上でこれから紹介するバスの居場所を攻めていきましょう。

2.晩秋のバス釣りの居場所

晩秋では小さな個体から徐々に冬ごもりに適した場所へ移動が始まります。小さな個体は水温が安定するディープエリアなどに移動します。中・大きな個体は急な水温変化の準備をしながらも冬ごもりの為にエサを探すため、冷たい水から守ってくれる緩やかな地形やウィードやハードボトムなどのストラクチャーに居着きます。そのためこの時期のバスの居場所は水温が安定しているディープエリアか緩やかな地形やストラクチャーを抑えると良いでしょう。
 フィールドのタイプや規模にもよりますが、一つの目安として水温を基準に攻める場所を選ぶと良いでしょう。水温が15℃を下回るくらいになると「晩秋」なムードになっていきます。野池の場合、水温が13℃前後になるとバスたちは越冬に向けて動きだし、10℃を切ると完全に冬モードになります。そのため水温13℃前後のフィールドは晩秋に向けバスも動き始めたところなので緩やかな地形やストラクチャー周りを、水温10℃を切るフィールドでは冬モードに突入しているバスも増えているためディープエリアを攻めていくと良いでしょう。

(1)緩やかな地形・ストラクチャー

気温と共に水温も徐々に低くなり始め、冷たい水から守ってくれる緩やかな地形やストラクチャー周りにバスは居着きます。急な水温変化の準備をしながらも、まだ冬越えの為にエサを探す必要があるからです。緩やかな地形は水中でのシャローエリアからディープエリアへの上下移動が楽になり、ストラクチャーは冷たくなった水からバスを守ってくれます。晩秋には通っているフィールドの地形変化とストラクチャーの居場所と秋が深まるにつれて水の透明度が上がってくる(バスの目もよくなってくる)ことを意識すると釣果に繋がりやすいでしょう。ルアー選びについては中・大きな個体がまだエサを冬越えの為にエサを探し求めていることからボリュームのあるルアーや水の透明度が増したフィールドでは強すぎないルアーをセレクトすると良いでしょう。

例えば、エサをまだ探し求めている中・大きな個体にはノリーズのビッグエスケープツインのようなボリュームのあるトレーラーをつけたラバージグで狙い、ストラクチャー周辺のバスにはポーズを入れて食わせの間を作らせられることができるメガバスのワンテンシリーズなどのサスペンドミノーがおススメ。

透明度が高くなりミノーでは反応しないバスには低水温期の定番であるエバーグリーンのフラットフォースやメガバスのフラップスラップなどのフラットサイドクランクや、更に弱いジャッカルのソウルシャッドシリーズなどのシャッドもおすすめです。

もし多少の濁りがあるフィールドであればスローリトリーブと強めの水押しでバスのバイトを誘発させるトレーラーをつけたエバーグリーンのDゾーンなどのスピナーベイトも良い選択肢の一つです。

(2)ディープエリア

冷たい風や水を避けることができ、かつ水温が安定しているため、寒さに耐えきれない小さな個体からバスはシャローからディープエリアに移動していきます。冬ごもりを意識し始めている小さな個体や中・大きな個体も寒さで動きが鈍くなりつつあるので、スローに誘うことができるルアーや食い気がないバスでも食わせられるルアーをセレクトすると良いでしょう。

例えばスローに誘うなら、ウェイトは重めでかつデッドスローリトリーブにも対応できるデプスBカスタム3/4ozのようなスピナーベイトや食い気のないバスにも口を使わせることができるシルエットがコンパクトなメガバスSV-3 3/4ozのようなスピナーベイトがおススメ。

スピナーベイトよりさらに深いレンジでより強い水押しとアクションを織り交ぜるならイマカツのバクラトスイマー、ステルスイマー+ヘビーウェイトジグヘッド(別売:IK-851 ステルススイマージグヘッド フルTGマグナムヘビー21g)などのスイムベイトが効果的でしょう。

ディープの岩などの障害物にピッタリとついているバスを狙うときは、障害物に当たった瞬間にポーズを取ることができるディープクランクもこの季節には外せません。例えばメガバスDEEP-X 300, DEEP-SIX、イマカツのIK-800R2、ジャッカルのディグル3+/4+/5+などを潜航深度別に使い分けましょう。 また巻物に反応しないときは更にスローダウンさせたボリュームのあるトレーラーをつけたラバージグも効果的です。