
1. ホバストとは
ホバーストローリング、通称ホバストと呼ばれ、日本では人気のあるフィネステクニックの一つです。英語の「Hovering=ヘリコプターなどが空中で停止している状態」が名前の由来となっています。その名前から想像できるように、ホバストは小型で浮力の高いベイトフィッシュ型ワームを使用し、表層付近~中層をふわふわと漂わせるテクニックのことです。ルアーが前方に進もうとする力を極力抑えたセッティングが肝で、ラインスラックをうまく操りワームをシェイクさせることで、「i字系」(メモ:英語ではi-Motion techniqueです。) の動きに誘いのアクションを加えることができます。
<参考:ミドスト>

ホバストと似ているリグとして「ミドスト」が挙げられます。 ミドストはワームにジグヘッドを取り付けて中層を泳がせてアプローチします。一番大きな違いはシンカーの有無です。ミドストはジグヘッドを使用(シンカー有)しますが、ホバストはノーシンカーフックを使用(シンカー無)します。そのためホバストはリグの沈下と前方移動を抑えつつ、浅いレンジをじっくり誘えるのが強みです。スローな展開で"喰わせ"を徹底的に突き詰めるのであればホバスト、テンポよく横の動きに反応するバスを探りたい場合はミドストがおすすめです。
2. ホバストのやり方
ホバストは細かいシェイキングでちょっとしたロールとピリピリアクションで、バスに口を使わせるイメージすると良いでしょう。 キャストをしたらワームの位置を確認してラインスラックを適度に取ってあげましょう。このときラインのゆるみを少し残しておくのがポイント。糸フケを回収したら、ロッドティップでシェイクを加えていきます。シェイクの強さはミドストよりもやや弱めにし、前方移動を抑えてよりスローにバスを誘います。 ホバストのアクションのコツは細かく速く、移動スピードは極力遅くしてあげましょう。バスの近くでルアーが漂っている状態を演出することがポイントです。

3. ホバストに適したタックルとワーム
さて次はホバストに適したタックルとワームをご紹介します。
(1) タックル
ホバストで使うロッドは柔らかめのロッドでディップだけを揺らせると圧倒的にローリングさせやすいでしょう。ロッドパワーは基本的にUL~Lクラスのロッドでライトなタックルがベストです。またリールサイズはバス釣りで一般的な2000~2500番、ラインはフィネスなアクションになるため細めのフロロカーボン4lbあたりが理想です。
(2) ワーム
ホバストに使用するワームでポイントになるのはワームの比重です。ホバストは表層付近~中層をスローに狙うリグなので、出来るだけ浮力があるワームを選択し、自重の重い高比重のワームを避けた方が良いでしょう。現場で「必要以上に高浮力だ」と感じた場合はネイルシンカーを挿入することでワームに重さをもたせ、狙った深さを狙うことも可能です。
ジャッカルのRVドリフトフライ
ミドストやホバストに対応できる万能なワームです。最大の特徴はヘッド部分に設けられたリップ。リップのおかげでレンジキープや適度な引き感が生まれます。そのため簡単にロールアクションと竿先をシェイクしながら巻いて手前に寄ってくるスピードをスローにできることで短い距離でたくさんローリングさせることができるため、中層のバスには非常に有効です。
エバーグリーンのFACT ラストエース80F
ベイトフィッシュライクなリアルなワームです。素材はエラストマー素材のため浮力と強度を兼ね備えているため針持ちも良いのが特徴です。3Dアイやダブルカラーリングが施されているので瀕死の小魚を立体的に表現しており、クリアレイクで視覚を重視するバスには非常に有効なワームとなっています。
フィッシュアローのフラッシュJ3インチ
フラッシュJ は前述した『2.ホバストのやり方』の動画に登場するワームです。
4. ホバストの活躍するシチュエーション
ホバストはフィネスな釣りなので、バイトを目で確認できるようなクリアウォーターなポイントを選びましょう。例えば、流れの当たらないワンド、止水域、流れが緩やかなポイント、オーバーハングなどが良いでしょう。濁りが強い場所などどこでも通用する釣り方ではありませんが、クリアウォーターのプレッシャーが高い場所では絶大な効果を発揮してくれることでしょう!ぜひ身近なフィールドで実践してみてください。